STUDY
学び
3/15ひすいこたろうの『シン奥の細道』
〜ものの見方スペシャル〜
ゲスト:ひすいこたろう
2022年3月16日配信
能楽師の森澤勇司さんからあれこれ教わり、
能楽の深みにハマり出しています。
で、
数ある能の曲(演目)のなかで、
最高峰として位置付けられてるのが
『関寺小町』
というお話なんだとか。
どんな話かざっとあらすじを書くと
七夕の日、
お寺の僧が子どもを連れて
山陰に住む100歳になる
老女のもとを訪ねて和歌を習うというところから始まります。
色々話してるうちにこの老女が
小野小町であることがわかるのです。
で、
時が過ぎ、皆で七夕祭に顔を出し、
そのお祭りで、子どもたちが舞い出したのにつられて
小町も思わず舞い始める。
で、
明け方、鐘がなり家に帰る。
完
FIN
終わり。
おしまい。
えーーー!!!!!!!!!!!!
って思わない?
なんで、これが最高峰のお話なのって!?
この話をハリウッド映画の
プロデューサーが目にしたら
関寺小町の作者(作者不明なんですが、世阿弥だという説もあるので、
ここでは仮に世阿弥とさせて下さい)
きっとこんな会話になると思います。
『この話に事件は起きないの?』プロデューサー
『はい、一切起きません』世阿弥
『なんだと!? 隕石も落ちてこない?』
『はい、落ちてきません』
『キスシーンは?』
『ナッシングです』
『なんだと!?じゃあせめて、愛は不時着する?』
『愛も不時着しません!!!』
『じゃあ、ヒロインは?』
『100歳のおばあちゃんです』
『なああぁぁああにぃぃぃ!!!!!!!
100歳のおばあちゃんがヒロインだと!!!???』
ここで、世阿弥はプロデューサーに
ぶん殴られてるでしょうね(笑)
そんな話ヒットするわけないと。
でも、能楽では、この関寺小町が
最高峰とされているんです。
今日発売になったほとんどの本が
2年後には書店に置かれてない現実。
そんななか能楽は
600年も残り続けてきているんです。
一体、関寺小町のどこが能の秘曲の最高位なのか。
僕は、能楽師の森澤さんに質問しました。
森澤さんはヒントをくれました。
この日が、
七夕だということです!
織姫と彦星が一年に一度
ようやく出会える特別な日。
小野小町は絶世の美女で
クレオパトラ、楊貴妃と並んで
世界三大美人と言われる
超モテ女。
それこそ七夕は
小野小町にとって
ロマンティックな思い出が
溢れる日なんです。
その小野小町が……
100歳なんです……。
絶世の美女が100歳。
その設定から既にいろんな想像が膨らみ出しませんか?
七夕、溢れるかつての思い出……
しかし、今は老女となりはて……。
100年の人生の栄枯盛衰……。
そして
ラストシーン
酸いも甘いも噛み分けてきた小野小町が、
無邪気に踊る子どもにつられて思わず
思い出の舞をまう。
ここをどう味わうか。
観る側に託されているわけです。
想像が膨らむ奥行きを用意し、
答えは出さない。
それが能の奥行きなんです。
アメリカのドラマ「24」は5分に1回
命を狙われるハラハラの連続。
ハリウッド映画は
隕石だって落ちてくるし宇宙人だってやってくる。
オペラだって、若い男女の恋の話があくまでベース。
韓流ドラマだって、愛は不時着しちゃう(笑)
しかし、
ニッポンの能の最高位に
事件は起きない。
ヒロインだっておばあちゃんなんです。
最後に
おばあちゃんが子どもの舞につられて
思わず、ふらっと踊るだけ。
どこまでもどこまでも奥行きを味わう物語なんです。
そう!
ニッポン人は目には見えない
奥行きを観てきた民族なんです。
それが、We are Japanese!
「奥まで触れにゆきたい」
それが「奥ゆかしい」の語源です。
かつてのニッポン人は
「俺の土地」って言いませんでした。
「ご先祖様の土地」と言っていました。
土地の奥行きを観ていたんです。
目には見えない奥の細道を歩んできたのが
ニッポン人なんです。
さて
さて
さて、
オンラインサロン
「ひすいユニバ」の3月15日号は、
以上の前提を踏まえて
僕らは人生をどう観ればいいのか
目には見えない人生の奥行きを観る技術を
ものの見方の研究家ひすいこたろうが
たっぷり語っております。
お楽しみあれ。
サロンでは
能楽師・森澤勇司さんと能を観にいくツアーも
やっていまして1回目大反響でした。
(観終わった後に聞く、森澤さんのお話がまた最高!)
2回目も企画してますので是非是非!
3月26日(土)にはお花見の予定も。
ひすいユニバ、僕の書きかけの原稿も
見れるし、ぜひ合流くださいな^^
ひすいこたろうでした。
WE ARE THE FUTURE
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